修論発表会で学んだ3つのこと
1つ下の学年の修論発表会が終わった。自分の修論発表会・修論提出からもう1年経ったのだ、と改めて実感する。自分が修論で何を学んだのかを今一度考えてみる。
私は修論を通して大きく3つのことを学んだ。
1.研究全体のまとめ方:説得力のある一貫したストーリーを立てる
研究で何を明らかにしたのか(既存の研究にはない新しい発見はどこか)を明確にする。
「枝葉の情報」と「核となる情報」を見極め、結論に至った根拠をシンプルに示す。
2.結果の見せ方:第三者の視点で、簡潔にわかりやすく
図を出すときは自己満にならないよう、図から言えること、示したいことを明確にする
3.実験計画を立てることの重要性:無駄な努力を避ける
ストーリーの核となる実験を明確にし、全体のストーリーの中での立ち位置を確認する。目的ありきで最適な手段を選択する。
以上3点である。
うちのラボはとても放任主義である。
自分で研究のテーマを設定し、筋道を立てなければならない。
わたしは修士論文をまとめる段階で、自分の実験能率の悪さを思い知った。
研究の結論をいうのに必要のないデータが多すぎたのだ。
当時は自分の計画性のなさに落ち込んだが、修論発表前の後輩も自分と感じであった。思えば先輩方もそういう感じだった。
修論発表会は「枝葉の情報」と「核となる情報」を見極め、説得力のあるストーリーを作っていくトレーニングに最適の場である。
修論をまとめながら、「何がしたかったのか分からない」と迷子状態になっていた後輩たちも、修論発表のときにはストーリーをきれいにし、すっきりした顔になっていた。
修論発表は、社会や博士課程で要求される論理的な考え方を学ぶ最初の登竜門であるのかもしれない。
研究のまとめ方で参考になった本